アナトミートレインの見分け方|臀筋を通るか・通らないかで施術は変わる

※本サイトは広告が表示されることもあります
臀筋を基準にしたライン評価

こんにちは!セラピスト・整体師のゆーパパです!
今回は、「アナトミートレインの見分け方」について解説していきます!
アナトミートレインには複数のラインがありますが、
「どのラインか」を知っているだけでは、「施術の正解」にたどり着けません。
実際の施術でも、

・同じ症状でも反応がまったく違う
・勉強した通りにいかない
・効くはずのアプローチが効かない

といった場面に何度も出会いました。
実はその理由は、

ラインの種類ではなく「“今”どのラインに負担をかけているのか」

を、把握していないだけです。
この記事では、
アナトミートレインを 「臀筋を通るライン」「臀筋を直接通らないライン」 という視点で解説していきます!
そして、私たちの施術内容を大きく変えていきましょう!
ブログの文章は私が読んでいる参考書
『アナトミートレイン ― 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版(医学書院)』
の記述を踏まえながら、現場で実際に使い、皆さん用にまとめた内容です。
では見ていきましょう!

アナトミートレインを「臀筋を通るか・通らないか」で分類する理由

では、さっそくどのような視点で「臀筋を通る・通らない」でまとめたのかを見ていきましょう!

なぜラインの数(7種)だけでは施術が決まらないのか

アナトミートレインは大きく分けて7種類あります。
しかし施術は、

・SBLだからこの施術
・DFLだからこのアプローチ

などと単純にライン名だけで施術が決まることはほとんどありません。
なぜなら、
人の身体は常に複数のラインを同時に使いながら動いているからです。
なので問題は「どのラインが存在するか」ではなく、

「どのラインが主に使われ、負担を受けているか」

という観点で見ていきましょう!

アナトミートレインとは?7つのラインを図解でわかりやすく解説!

施術の観点は「どこに自覚が出ているか」が最優先になる

お客様の施術で最優先すべき情報は、コリの感触ではなく、お客様の自覚症状です。

自覚症状〇張っている
〇重だるい
〇動かしにくい

などの「自覚している場所」は、
今まさにどの筋膜ラインがメインに身体を支えているかという情報です。
その中で特に重要なのが

臀筋に自覚があるか・ないか

という情報です。

臀筋はライン選択の“判断スイッチ”になる部位

臀筋は、

〇ラテラルライン
〇ディープフロントライン(深部にある梨状筋等)
〇ファンクショナルライン

と、複数のラインが通っています。
ここに強い自覚が出ているかどうかで、判断スイッチの内容が変わります。
お客様の自覚としては、

〇上半身だけが気になる
〇臀筋の自覚が強い。または臀筋を確認すると「効く感じがある」

との返事がきます。
この返事が来た瞬間に「上記の3種類を踏まえないといけない」と考えましょう!
このようにお客様の返答次第で「施術の入り口」が変わります。
そのため、この記事では、

臀筋を「通るか・通らないか」

で解説していきます。
もちろん私もこれを活かして施術を行い、施術効果として実感している最中です!

臀筋を通るライン(LL・DFL・FL・AL)の特徴と施術判断

ここでは、AL(アームライン)を含めた4つのアナトミートレインを解説していきます!

ラテラルライン(LL)|臀筋外側が主張する人の身体反応

ラテラルラインは、大臀筋・中臀筋をはっきりと走行しています。
ラテラルラインの働きとしては「立つ」・「歩く」・「片脚で立つ」などの動きに対しての左右バランスに働いています。
このラインがメインになって働くと、

〇立つと外側に張る
〇骨盤が安定しない
〇股関節外側に疲労が溜まりやすい

などといった自覚症状が出やすいです。
なので、臀筋外側にはっきりとした自覚症状があると、最初に想像するのがラテラルラインとなります。

ディープフロントライン(DFL)|深部安定が崩れたときの臀筋の使われ方

参考書では、

ラテラルラインの深部には 腰方形筋・斜角筋 が関連し、これらは『ディープフロントライン』に属する

と書かれています。
ディープフロントラインが乱れると、

〇表層の筋肉に大きな負担がかかる
〇臀筋が「支える役目」を果たす
〇深部の安定が作れない

などという負担がかかります。
また、ディープフロントラインには「深部にある臀筋群」が走行しています。

ファンクショナルライン(FL)|動作時に臀筋が主役になるパターン

ファンクショナルラインは、3種類のあります。
そのうち、大臀筋を含むファンクショナルラインは反対側の上半身と連動します。
その反対側の上半身と連動する働きとしては、

〇捻る
〇投げる
〇歩行で腕振り

などがあります。
こうした動作が多い人ほど、臀筋は「力を送信する装置」として働きます。
ファンクショナルラインの場合は、「ほぐす」ことも大事ですが、「ストレッチ等」で、「動かしやすさ」を求める施術も意識しています。

アームライン(AL)|臀筋に直接付着しないが無視できない理由

アームライン自体は臀筋に直接付着していません。
しかし参考書では、

参考書記載〇アームラインはラテラルラインと明確に関連する
〇肩甲挙筋と板状筋は並行して走行し、負担を補完する

と書かれています。
これを分かりやすく翻訳すると、

・板状筋は「ラテラルライン」、肩甲挙筋は「アームライン」。この2つが関わっている。

ということです。
つまり、
腕(肩甲挙筋)への過度な負担 → 首(板状筋)にも影響 → そのまま「臀筋」に負担が届く
という間接的な影響が起こります。
そのため、私たちが臀筋を触っても硬くないのに、

「違和感がある」

と、お客様が言う場合も多々あります。
この場合、最初に「上肢側」から施術していくと、段々臀筋の張りが出てくることが多いです。

「アームライン?」「前側がある?」アナトミートレインを解説!

「アームライン?」「後側がある?」アナトミートレインを解説!(肩甲挙筋はコチラ)

臀筋を通らないライン(SFL・SBL・SPL)の特徴と症状の出方

SFL(スーパーフィシャルフロントライン)|前面優位の姿勢と臀筋の反応

スーパーフィシャルフロントラインが気になる人は、

〇体の前側が突っ張っている
〇股関節前面が詰まる
〇臀筋は気にならない

という特徴・自覚症状がよくあります。
臀筋が原因なのではなく、前面の張り感が強すぎて体が上手く働いていないのがスーパーフィシャルフロントラインの特徴です。

スーパーフィシャルフロントラインとは?アナトミートレインを解説!

SBL(スーパーフィシャルバックライン)|後面主導で起きる代償

スーパーフィシャルバックラインが気になる人は、

〇肩より首の疲れが強い
〇腰や背中に張り感がある
〇臀筋の自覚も鈍い

という感覚が多いです。
なので、結果としてセラピスト側としては臀筋に張り感を感じるものの、お客様としては張り感・気になりが少ないことが多いです。

スーパーフィシャル・バックライン(SBL)とは?図解でわかる筋膜のつながりと施術の活かし方

SPL(スパイラルライン)|ねじれが主因のケース

スパイラルラインが気になっている人は、

〇ひねると痛い
〇背骨沿いが気になる
〇臀筋は「多少の違和感がある」程度

という特徴が出やすいです。
この場合、
臀筋だけを気にして施術する効果は薄く、「全身のねじれ」踏まえながら「上半身」と「下半身」を施術する必要があります。

「スパイラル・ライン」とは?アナトミートレインを解説!

なぜ「臀筋を通るか・通らないか」で施術が変わるのか

臀筋を通るラインがメインになると、臀筋への直接的介入が”施術への入口”です。
臀筋を通らないラインがメインとなると、臀筋の張り感は「ただの結果」であり、他の部位・アナトミートレインを考えた方が効果があります。
この違いを無視すると、

お客様の感想〇効かない
〇その場だけ
〇再発する

という結果になりますよ。

まとめ|ラインは全てつながっている、だからこそ「入口」を見極める

アナトミートレインは、「すべてのラインが関係」します。
そのため「臀筋を通る・通らない」が「すべての答え」ではありません。
しかし私の施術で「最初に選ぶ入口」として「臀筋の自覚症状」は「大きな入口」です。
お客様の満足度が大きく変わります!

満足度の違い〇どこに自覚があるのか
〇臀筋を通るラインか
〇通らないラインか

この判断ができるだけで、
施術の精度は大きく変わります。

・「ラインを知っている」

・「ラインを使い分けられる」

へ行きましょう!
その第一歩が、「臀筋を通るか・通らないか」 という視点になります。

アナトミートレインが「まだ難しい…」と感じる方は一度この記事に目を通してみてください。
〇セラピスト未経験の方に知ってもらいたい「60分コースの全身施術」の概要
〇お客様に「楽になった!」と言ってもらいたい!そのための知識。