お客様に合わせすぎて疲れていませんか?長く働くセラピストに必要な距離感

※当サイトでは、記事内に広告が表示される場合があります。 読みやすさには配慮しておりますので、ご了承ください。
セラピストの悩み

こんにちは!セラピスト・整体師の肥後です!
今回は「お客様との距離感」について解説していきたいと思います!
「お客様にはできるだけ満足して帰ってもらいたい」
セラピストとして働いていれば、そう思うのは自然なことです。
しかし、これを毎日、意識していると、
「施術人数はそれほど多くないのに、なぜか疲れている」
と感じることはないでしょうか。
もしかすると、その疲れは施術そのものではなく、お客様に合わせすぎていることから生まれているのかもしれません。

お客様に合わせることが「良い接客」だと思っていませんか?

セラピストとして働いていると、

「できるだけお客様の希望に応えたい」

と思うことがあります。
ただ、その気持ちが強くなりすぎると、いつの間にか
「お客様を大切にすること」と「お客様に合わせ続けること」が同じになる
ことがあります。

喜んでもらいたい気持ちが、自分を疲れさせることもある

・「もっと強く押してほしい」
と言われれば、できるだけ応えようとする。
・「話好き」
というお客様なら、自分の疲労があっても会話を続ける。
一つひとつを見ると、どれもお客様を思っての行動です。
しかし、これが一日に何人も続き、毎日のように積み重なれば、
施術が終わったあとに体だけではなく気持ちまで疲れてしまうことがあります。
お客様に喜んでもらおうとすること自体が悪いわけではありません。
大切なのは、

「喜んでもらうためなら、
自分はどこまで合わせたらいいのか」

ということです。
すべてのお客様の要望や感情に100%合わせようとすれば、セラピスト側が疲れてしまいます。

お客様を大切にすることと、すべてに応えることは違う

お客様を大切にすることは、
「要望にはできるだけ応えたほうがいい」
と考えるわけではありません。
たとえば、お客様から「ここをもっと強く押してほしい」と言われたとしても、
体の状態や場所によっては、そのまま強く押さないほうがよいと判断することもあります。
「今日はこのくらいの強さで様子を見てみましょう」
と、自分ができる範囲で提案することも必要です。
これは、お客様の希望を無視しているわけではありません。
お客様の希望を聞いたうえで、自分の経験や考えを伝え、対応することもお客様を大切にする一つの方法です。
「合わせなければいけない」と思っていた接客から、

「自分はどう対応するのがよいだろう」

と考える接客へ移ることも私たちを守る一つになります。

「自分のセラピストとしての悩み」をもう一度確認したい方はこの記事をどうぞ。
関連記事:セラピストはやめとけと言われる6つの理由|20年続ける私が本音で解説

セラピストが疲れるのは、施術だけが原因ではない

セラピストの仕事は、体を使います。
しかし、「今日は疲れたな」と感じる日のことを振り返ると、
「施術人数が多かった日だけ」ではないはずです。
私たちセラピストはお客様との関わり方によって生まれる「気持ちの疲れ」も出やすい仕事です。

相手の感情まで背負ってしまうと、心の疲れが残りやすい

お客様から仕事の悩みや家庭の話、人間関係の話などを聞くこともあります。

  • 「大変でしたね」
  • 「それはつらかったですね」

このようにお客様の話を聞くことも、
セラピストとして大切なコミュニケーションの一つでしょう。
しかし、「話を聞くこと」と、その人の「感情を自分も抱える」ことは別です。
施術が終わり帰られたあとも、
「あのお客様、大丈夫かな」
などの気持ちが生まれやすいものです。
しかし、お客様の悩みを理解することと、お客様の悩みを自分の中に持ち帰ることは同じではありません。
私たちが関われるのは、あくまでセラピストとして接している時間の中です。
その時間を大切にすることはできても、お客様の生活や悩みのすべてを背負うことはできません。
この境界が曖昧になるほど、施術が終わっても気持ちだけが仕事から離れられなくなってしまいます。

真面目な人ほど「自分が何とかしなければ」と考えてしまう

お客様から、
・「全然疲れが取れないんです」
・「どこへ行っても良くならなくて」
などと言われると、
・「自分が何とかしなければ」
と思うことがあります。
もちろん、目の前のお客様に少しでも満足して帰ってもらおうと考えることは大切です。
ただ、そこで注意したいのが、
お客様の状態や満足度のすべてを、
自分の責任として考えてしまうこと
です。
人の体は、その日の睡眠や仕事、生活習慣、ストレスなど、さまざまな影響を受けています。
一回の施術だけですべてを変えられるわけではありません。
それでも真面目なセラピストほど、

  • 「満足してもらえなかったら自分の技術不足だ」
  • 「もっと何かできたはずだ」

と、自分に原因を探してしまいます。
必要なのは、責任を放棄することではありません。
「自分にできることには全力を尽くす。
でも、自分では背負えないところまで抱え込まない」
という考え方です。
この「線引き」は必要となります。

長く働くためには「どこまで関わるか」を決めることも必要

お客様との距離感というと、「冷たく接する」「必要以上に話さない」といったイメージを持つかもしれません。
大切なのは、「セラピストとして、どこまで自分が関わるのか」という基準を持つことです。
長く働くための距離感とは、お客様との間に壁を作ることではなく、自分が担う範囲を理解することなのだと思いましょう。

お客様の悩みを受け止めても、自分の問題にする必要はない

施術中に、お客様からさまざまな話を聞くことがあります。
・仕事が忙しい。
・家族のことで悩んでいる。
このような話を聞いたとき、

  • 「少しでも楽になってほしい」

と感じるのは自然なことです。
相手の話を聞き、その気持ちを受け止めることも、お客様が安心して過ごせる時間につながるでしょう。
ただし、「話を受け止めること」と「その問題を自分が解決しなければならないこと」は別です。
お客様が抱えている問題には、セラピストには分からない事情もあります。
生活そのものを変えることもできませんし、専門外のことまで答えを出す必要もありません。

その場ではしっかり話を聞く
自分にできることであれば対応する

自分では対応できないことであれば、無理に答えを出そうとしない。
これでも十分です。

できること・できないことを分けると接客は少し楽になる

お客様から求められたことに対して、何でも「できます」と言えるセラピストになる必要はありません。
むしろ、長く働いていくのであれば、自分の中で「できること」と「できないこと」を分けておくことも大切です。
たとえば、
・「この強さなら対応できる」
・「この内容なら施術として提案できる」
などといった基準です。
最初からすべての基準を明確に決める必要はありません。

  • 「ここまでは自分が背負わなくていいな」

などとと、自分なりの線を作ればいいだけです。
そして、その線があるからこそ、目の前のお客様に必要なことへ集中しやすくなります。
「できないことがある」のは、セラピストとして未熟だからではありません。
自分ができる範囲を理解しているからこそ、その中で何ができるのかを考えられます。
それが、お客様との関係を無理なく続けていくための距離感でもあります。

セラピストとして「お客様対応での悩み」を振り返りたい方はこちら
関連記事:お客様対応で疲れる…。真面目なセラピストほど苦しくなる理由とは?

適度な距離感は、お客様を大切にしないことではない

お客様との距離が近ければ近いほど、良い接客になるとは限りません。
お客様を大切にすることは、何でも言われた通りにすることではなく、その人にとって何が必要なのかを自分なりに考えることでもあります。
そのためにも、お客様の希望を聞きながら、一歩離れたところから状態を見るような距離感が必要になります。

距離を取るからこそ、落ち着いてお客様を見ることができる

お客様に「何とかしてあげたい」という気持ちが強くなりすぎると、目の前の反応に振り回されやすくなります。
少し表情が曇れば、
・「痛かったかな」
・「満足していないのかな」
と不安になる。
もちろん、お客様の反応を見ることは大切です。
しかし、反応の一つひとつを自分への評価として受け取ってしまうと、冷静にお客様を見ることが難しくなります。
そんなときに必要なのが、少し距離を取って考えることです。

  • 「今日はどこが一番疲れているのだろう」
  • 「この疲れなら、こうしてみようかな」
  • 「この内容だけはしっかり確認しよう」

このような内容を事前に立てておけば、セラピストとしてお客様との間に適度な距離を持てるので、お客様を冷静に見ることが可能です。

「合わせる接客」から「考えて提案する接客」へ変えていく

お客様から「肩がつらい」と言われたら、肩を中心に施術する。
「強く押してほしい」と言われたら、強く押す。
もちろん、希望を聞くことは大切です。
ただ、それだけではセラピストは「お客様の希望通りに施術する人」になってしまいます。
経験を重ねていくほど必要になるのは、

「肩がつらいと言っているけれど、
他に関係しているところはないだろうか」
「強く押す以外にも、
気持ちよく感じてもらえる方法はないだろうか」

と考えます。
そして必要であれば、
・「今日はここも一緒にやってみましょうか」
・「こちらから先にほぐしてみますね」
と、お客様へ提案していく。
お客様に合わせるだけではなく、お客様の希望を聞いたうえで、自分の考えを加えて提案する。
この関係が作れるようになると、セラピスト側だけが無理をして合わせ続ける必要も少なくなります。
そして、お客様にとっても「言った通りにやってくれる人」ではなく、「自分の体を見ながら考えてくれるセラピスト」という存在に少しずつ変わっていきます。

長く続けられる接客は、自分をすり減らさない

セラピストとして働いていると、「お客様のために」という言葉を何度も耳にします。
長く働くために必要なのは、お客様を大切にしながら、自分自身も無理をしない関わり方を見つけることです。
セラピストも一人の人間なので、自分をすり減らさずに接していくことが重要になります。

お客様にも自分にも無理のない関係をつくっていこう

良い関係というのは、どちらか一方だけが我慢して成り立つものではありません。
これは、お客様とセラピストの関係でも同じです。

お客様の希望を聞きながら、自分にできることを考える。
できることであれば、しっかり対応する。

そうした関わり方でも、お客様を大切にすることはできます。
むしろ、自分が無理をしていないからこそ、目の前のお客様に落ち着いて向き合えることもあります。
「お客様を大切にすること」と「自分を大切にすること」は、どちらか一方を選ぶものではありません。
両方を大切にできる関係を作っていくことが、長く接客を続けるためには必要です。

セラピストとして続けるために、自分なりの基準を持とう

お客様との適切な距離感に、誰にでも当てはまる一つの正解があるわけではありません。
・会話をするのが得意
・静かな時間を大切にしたい
・細かな希望までできるだけ応えたい
・自分の施術方針をしっかり持って提案
様々なセラピストがいます。
大切なのは、
「他のセラピストがどうしているか」
だけで決めるのではなく、自分なりの基準を少しずつ作っていくことです。
経験を重ねながら、こうした基準を一つずつ持てるようになります。
自分の基準を持つことは、お客様を拒むためではなく、安定してお客様と向き合い続けるためにあります。
そして、長く働けるセラピストになるためには、技術だけではなく「どうお客様と関わっていくか」も、「自分なり」に必要です。
無理に誰かの接客を真似するのではなく、自分がお客様と長く向き合っていける距離感を、少しずつ見つけていきましょう。