ラテラルラインの緩め方を解説|セラピストが明日から使える施術法

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各アナトミートレインの詳細

こんにちは!セラピスト・整体師のゆーパパです!
今回は「ラテラルライン(LL)の緩め方」について解説していきます。
以下のような方はぜひ最後まで見てくださいね。

〇施術中にお客様の肩の高さが違って疑問に思う
〇骨盤が傾いているので効果的に緩めたい
〇膝や足首が外に向いている方をアプローチしたい

このようなお客様は「ラテラルライン(LL)」が大きく関わっている可能性が高いです。
私自身も実際に

・「腰が重い」
・「膝の外側が気になる」

という方にはラテラルラインをアプローチするだけで症状を改善した経験が何度もあります。
この記事では「初心者セラピストの方」でも分かりやすいように解説していき、明日から実践できる内容を紹介していきます。

どうしてラテラルライン(LL)を考えるべきなのか?

まずはどうしてラテラルライン(LL)が必要なのかを確認していきましょう!

生活の中でラテラルラインは負担のかかりやすい一つ

ラテラルラインは生活の中で体のバランスを取っている筋膜の一つです。
特に体の外側に走行している筋膜なので、股関節の外側の張りが出やすいのが特徴です。
したがって、お客様からは

「股関節の外側が気になる」
「股関節に違和感がある」

と聞くことが多いです。

マニュアル施術の限界がある

そして、マニュアルだけの施術・考え方だけには限界があります。
マニュアルは知識のない「初心者セラピストの方」でも安全に・安心してできるように作っています。
「お客様の疲れ方」にとってはそのマニュアルのやり方が効果的と言える方もいらっしゃいます。
しかし、このやり方だけではお客様の満足度に限界があります。
私も経験済みです。
そしてこれは、どこの会社・どの店舗でも言えることです。

「肩コリだから肩をほぐす」

だけでは限界ということを覚えておきましょう。
したがって、筋膜をきっかけに「体のつながり」を把握できるようになると今までとは違う視点に切り替えられます。

体のつながりを理解する

ラテラルラインは「アナトミートレイン」の見方として体のつながりを表したものの一つです。
そして、ラテラルラインを理解すると「コリの原因を根本的に捉える視点」が持てます。
先ほども言いましたが、ラテラルラインは「体の外側のつながりを表している」ラインです。
そのため、ラテラルラインを把握することによって体の外側がどのように繋がっているのかを把握することができます。

お客様の不調からラテラルライン(LL)を確認する

では、ラテラルラインはお客様の不調としてどのようなものが挙げられるのでしょうか?見ていきましょう。

肩首のコリ

慢性的な疲労の代表的である「肩首のコリ」があります。
ラテラルラインが疲れてくると「肩首のコリ」が発生します。
しかし、ラテラルラインの疲れだけでは「肩甲骨周りの疲れ」はあまり感じません。
これは、ラテラルラインに走行する筋肉の中には肩甲骨に関連しないからです。
お客様の疲れとしては「肩から首にかけての疲れ」という訴えがはっきり出ます。
よって、肩甲骨周りに疲労感は感じず「肩首のコリ」という方はラテラルラインとしての肩首のコリ可能性が高いです。
ですので、セラピストとして「肩甲骨が気になるか・気にならないか」は把握しておきましょう。

股関節まわりの違和感

体の外側を通っているラテラルラインは股関節を通過しているため、股関節に大きく関わる筋膜です。
そのため「股関節の不調」=「ラテラルラインの不調」と考えても良いでしょう。
(もちろん他のアナトミートレインの可能性もあります)
後ほど解説しますが、

「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」
「大臀筋(だいでんきん)」
「中臀筋(ちゅうでんきん)」

が大きく影響します。

他の不調との関連

体は複合的に動いています。
そのため「アナトミートレイン」も単独ではなく、12種類の筋膜が複合的に関連しています。
したがって、上記した「肩から首にかけてのコリ」「股関節の不調」もラテラルラインだけではありません。
しかし、「ラテラルライン」の症状として上記2つを仰る方が多いのも事実です。
ですので、初心者セラピストの方はラテラルラインの代表的な症状と覚えておきましょう。

ラテラルライン(LL)で知っておきたいこと

ではここでラテラルライン(LL)で知っておきたいことを書いていきます。

肩甲骨は直接関与しない

お客様の症状として代表的なものに「肩甲骨まわりのコリ」があります。
先ほども上記しましたが、ラテラルラインが走行している筋膜には、肩甲骨を走行するものがありません。
下記に図も書きますが、肩甲骨に筋膜が通過していないのが分かります。
したがって、ラテラルラインを意識する場合は「肩甲骨周りに直接的な疲労がない」ことを確認しましょう。

腰の筋肉には背骨ぎわの筋肉が関連していない

ラテラルラインは言葉のように「体の外側のライン」です。
したがって、体の中心部分には、ほぼ走行していません。
そのため、腰に関わる筋肉も背骨には関わっていないことが分かります。

臀筋はラテラルラインの必須部分

ラテラルラインは臀筋部分の大半を走行しています。
そのため、ラテラルラインをほぐすには臀筋を緩めることは必須です。
実際に私が見ている参考書には以下のようなことが書いてあります。

LLは大転子の上方で幅が広がり、3つの筋要素、すなわち、前縁に沿った大腿筋膜張筋、後縁に沿った大臀筋の上部線維、深層で腸脛靭帯の筋膜シートの下面に付着する中臀筋を含む
参考:アナトミートレイン-徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版133ページ

難しい文章ですよね。
ですが、書いてある内容は

臀筋が広く関わっている

ということです。
したがって、臀筋を緩めることはラテラルラインにとっていい効果をもたらします。

下半身の外側に走行している筋膜

そして、下半身の外側を走行しているのがラテラルラインです。
代表的な下半身の疲れに「ふくらはぎの疲れ」があります。
しかし、一般的なふくらはぎの筋肉には直接的通っていません。
したがって、私の経験上でお客様にふくらはぎの疲労を聞くと

「下半身は特に気にならないです」

というやり取りがとても多いです。

足裏まで影響する

ラテラルラインの始まりは足裏です。
そして始まりのラインも「横ライン」となり、「親指から小指に向かって走行」しています。
そして「小指から頭に向かっての走行」となります。
よって、足裏を緩めることを疎かにすると「ラテラルラインを緩める」ことにつながりません。

知っておきたいポイントを図で解説

先ほど上記した一覧を改めて画像で示していきたいと思います。
ぜひ覚えるの参考にしてくださいね。

肩甲骨を解説している図↓

ラテラルラインの走行と肩甲骨が直接関与しないことを示す解説図
腰を解説している図↓

ラテラルラインの走行には腰部の背骨ぎわに関与していない
臀部を解説している図↓

ラテラルラインの走行は臀部を大きく占めている
脚を解説している図↓

ラテラルラインの走行は脚の外側を走行している
足裏を解説している図↓

ラテラルラインの走行は足裏では横に走り、親指から小指に向かって走行している

この5つの図だけでも知っておけば、ラテラルラインを踏まえたお客様の反応は段違いですよ。

ラテラルライン(LL)の緩め方【実践編】

ではここからラテラルライン(LL)の緩め方【実践編】を具体的に見ていきましょう!

問診に力を入れよう

施術の方法の前に問診に力を入れてください。
これは、ラテラルラインに限らず、問診ができていないとお客様の満足度は上がりません。
また、この問診がきっかけで会話が弾むこともあるので、コミュニケーションとしても大事です。
ラテラルラインとして以下を聞きましょう。

・肩甲骨周りは気になりますか?
・腰のどこが気になりますか?
・骨盤周り(←臀部のこと)は気になりますか?
・下半身は気になりますか?

この問診の内容の「はい・いいえ」の答えと上記した内容と照らし合わせてください。
そうするとラテラルラインかどうかが分かりますよ。

どのように施術するべきなのか

この施術の具体的方法は店舗や会社のやり方次第になることもあります。
したがって、人それぞれになるでしょう。
しかし、店舗や会社が違えど、「体重圧」ということは共通します。
私も体重圧はすごく重要視しています。
これを意識した施術を重視しましょう。
これは別記事で後日紹介しますね。

肩首のコリを緩める

肩首のコリを緩める方法はポイントをしっかり絞ることです。
これは肩首以外でも言えることですが、ラテラルラインで言えば「肩甲骨周りのコリ感はない」ということが大きなポイントです。
ラテラルラインの肩首となる筋肉は

〇 板状筋
〇 胸鎖乳突筋

です。
これらの筋肉のコリの部分(トリガーポイント)を確認しておきましょう!
ここにリンクも付けておきます。

【施術者へ】板状筋を解説!初心者でも分かるように!

【施術者へ】胸鎖乳突筋を解説!初心者でも分かるように!

腰〜脇腹(腹斜筋)を緩める

先ほども上記した通り、背骨ぎわの負担は少ないのがラテラルラインです。
そのため、

・(背骨沿いを指し)腰は気になりません
・(脇腹辺りを指して)腰のこの辺が気になります

など、「様々な表現の腰」を聞きます。
したがって、

・脇腹辺りが気になるのか
・背骨沿いも気になるのか

を確認してみましょう。

股関節外側を緩める(大腿筋膜張筋・中臀筋)

そして、股関節の外側を走行しているのがラテラルラインです。
ですので、こちらもアプローチしましょう。
股関節の外側として気にしておきたいのが

・中臀筋
・大腿筋膜張筋

になります。
これらを緩めることを考慮しておかないと股関節まわりの違和感を避けることができません。

足裏〜腓骨筋を緩める

ラテラルラインを緩めるには足裏は必須です。
ラテラルラインのスタートは足裏です。
そのため必ず「ラテラルライン=足裏を緩める」ことを考えておきましょう。

セルフケアとして指導できるストレッチ

ラテラルラインは体の側面に走行している筋膜です。
したがって反対側に側屈することでストレッチができます。
ラテラルラインを効果的に伸ばす側屈ストレッチ2種類
ぜひこの「2種類」のストレッチを提供しましょう。
腕を挙げて行うストレッチは全身を伸ばすことはできますが、首のストレッチという観点で見ると少し不十分です。
そのため、首のストレッチは単独で行いましょう。

ラテラルライン(LL)を緩めると得られる効果

では、ラテラルライン(LL)を緩めることで得られる効果を確認していきましょう!

姿勢が安定する

ラテラルラインが緩むことで姿勢が安定します。
ラテラルラインが行っている働きは左右のバランスです。
そのため、ラテラルラインが緩むことで左右のバランスが安定するため、姿勢が改善されます。

股関節の可動域UP

そして股関節の可動域もUPします。
ラテラルラインを走行している大腿筋膜張筋は股関節の安定に大きく関わる筋肉です。
したがって、ラテラルラインを緩ませることは、大腿筋膜張筋の緩みも作っていることにもなるので、股関節の可動域がUPします。

肩首のコリ改善

肩首のコリも改善します。
とくに肩甲骨周りの自覚は少なく、「肩から首にかけてのコリ」と仰るお客様のコリ具合は改善するでしょう。
また、目の疲れである眼精疲労という方の効果も望めます。

施術が「点」ではなく「線」で伝わる

そしてセラピスト目線として、施術の内容が「点」ではなく「線」として見ることができます。
これは私たちセラピストとしてまた、お客様としても大事なことです。
これを提供することができれば、満足度の向上も目の前で見ることができます。

まとめ | 僕らが意識したいこと

ラテラルラインを理解すると、施術が「肩を揉む」「脚をほぐす」といった部分的な見方はできなくなります。
この目線を行わなくなるとお客様の満足度は一段・二段と上がります。

体を横につなぐこのラインを意識することで、
お客様の不調を全身のつながりとして捉えられるようになり、施術の質が一段階上がります。

つまり、ラテラルラインを理解することは全身を理解してお客様の満足度を上げるための第一歩。
ぜひ、ただの理解ではなく、結果を出すための「武器」にしましょう。