セラピストの盲点!肩甲骨の上角・下角を曖昧にすると施術効果は半減する

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こんにちは!セラピスト・整体師のゆーパパです!
今回は「肩甲骨の上角・下角について」解説していきます!

こんな経験ありますか??

「肩甲骨を触れているつもりが、実は僧帽筋の上をなぞっていただけだった。」

「まだセラピスト経験が浅いので、上角・下角は聞いたことがあるが、触ると曖昧…」

このような経験が続くと、後々周りと大きな差へと繋がりますよ。


この記事では、初心者セラピストがつまずきやすい
「肩甲骨の上角・下角とはそもそもどこなのか?」

「上角・下角を知ってどうすればいいのか?」

をわかりやすく解説していきます。

肩甲骨の「上角」「下角」とは?まずは正確な位置を把握しよう

ではまず「上角(じょうかく)」と「下角(かかく)」確認しましょう。
セラピストとしてお客様の肩甲骨の「上角と下角」を曖昧にしてはいけません。
その理由は、

〇筋肉の付着部
〇肩甲骨の動きの起点や終点

になるからです。
つまり、ここを確認できないことは、コリや施術もズレたままになります。
ですので、この2つの「角(かど)」の正確に判断しておきましょう。

肩甲骨の上角とは?

では上角の場所を言葉として確認しましょう!

肩甲骨の上角の正しい場所とは

肩甲骨の上角の場所とは、

〇肩甲骨の一番上の内側で、背骨で言うとおおよそ「第二胸椎」の高さ。
〇肩甲挙筋などが付着している。
〇肩甲挙筋の確認・筋肉のリリースには上角を確認しないといけない。

となっています。

初心者がよく行う間違い

よく間違ってしまうケースとは、

〇肩上部の盛り上がった(僧帽筋上部)を触って「これが上角かな?」と誤認しやすい。
〇骨の縁(肩甲骨の内側の縁)をたどり切った一番上の部分が「上角」になる。

意外とみなさん、これは見落としがちですよ。

肩甲骨の下角とは?

続いて下角を確認しましょう。

肩甲骨の下角の正しい場所とは

下角の正しい場所とは、

〇肩甲骨の下の尖った部分で、背骨の場所で言うと第七から第八胸椎の高さ。
〇ここには大円筋などが付着している。
〇肩甲骨の下方回旋・上方回旋(下で解説しますね)の動きを観察する場所でもある。

これらが正しいケースです。
何度も言いますが、分かっていると分かっていないは大きく違いますよ。

初心者がよく行う間違い

そして下角で間違うケースとしては、

〇下角は「分かるけど、動く場所」とは思っていない。
〇肩の下角は「挙げ・下げ」・「回旋」で大きく動いてくので、体の楽さを実感しやすい。

となっています。

肩甲骨の上角と下角の正確な位置を示した図。初心者セラピスト向けに骨のランドマークを明確に解説。

どうです?
皆さんが想像していた「上角」・「下角」と合ってました?

上角・下角を「触って終わり」にしない

肩甲骨の上角・下角を確認ができても、それで終わってはいけません。
その意味としては、

上角・下角の意味〇上角は「肩甲挙筋の短縮や硬さ」や「首の動きの制限」
〇下角は「肩甲骨の動き」や「腕の動きの制限」

となります。
つまり、肩甲骨の向きは、上角・下角の向きを作っており、「硬さの基準点」として重要にもなっています。

まずはこれらから覚えよう!8つのランドマーク(骨指標)!

練習のポイント

初心者のうちは、以下の流れを繰り返して自分の体に覚えさせましょう。

1. 肩甲骨の内側に指を沿って、角を探しましょう。
2. 骨と筋肉の感触を覚える
3. お客様の姿勢を変えても触れるか(座位と立位の違いなど)
4. お客様の「身体の反応や姿勢」は個人差でも変わる

これらを知るか・知らないかは大きく違いますよ。

なぜ肩甲骨の上角・下角が施術に重要なのか?

肩甲骨の「上角」と「下角」は、
「ただの骨の端っこ」ではありません。
では、何を意識するのか。
それは、施術においての

「筋肉の硬さ」
「筋肉の方向」
「普段の動作」
などの筋肉が関わる『基準点』

になるからです。
もし、「上角」・「下角」を曖昧なままにしておくと、

「肩甲骨の動きが悪い」
「肩が挙がりにくい」
「背中が張る」

などの悩みに対し、「原因を把握できないままの施術」を提供することなるでしょう。
では、ここから「上角」と「下角」は具体的にどのような筋肉が関わるのか見ていきましょう。

関与する筋肉(肩甲挙筋・大円筋を紹介)

肩甲骨の上角・下角には重要な筋肉が付いています。
したがって、これらの筋肉が「緊張・引っ張り合い」をすることで、肩甲骨のバランスが崩れてもおかしくありません。
ここでは、上角・下角に関する筋肉を一つずつ紹介します。

上角に関与する筋肉

〇肩甲挙筋(levator scapulae)
肩甲挙筋とは、

〇上角に付着し、肩甲骨を「すくめる動き」や「内側へ引き上げる」動きをする。
〇ストレスやスマホの姿勢で疲れやすいため、首や肩の負担が増える。
〇位置を把握しないと、肩甲挙筋ではなく、僧帽筋のアプローチにも広がる。

という筋肉になります。

【施術者へ】肩甲挙筋の解説!初心者でも分かるように解説

下角に関与する筋肉

〇大円筋(teres major)
大円筋とは、

〇下角のすぐ近くに付着している。
〇縮こまると、「巻き方」になり、腕が上がりづらくなる。

という働きがあります。
肩甲骨の下角に付着する筋肉(肩甲挙筋と大円筋)を示した図。施術や触診の基礎理解に役立つ。

可動評価の起点になるポイント

また、「上角・下角」は、肩甲骨の「動きの確認・評価」においても役立ちます。
見ていきましょう。

上角・下角は動きのガイド

施術前に肩を動かしたとき「上角・下角の動き」を確認すると

肩甲骨の動きが
「滑らかに動いている」
「どこで止まっている」

かを「視覚」と「触覚」で確認ができます。
また、「下角の動き」は、

「上方回旋(じょうほうかいせん)」

「下方回旋(かほうかいせん)」の基準

ともなりますので、見落とさないことが重要です。

「肩甲骨の上方回旋と下方回旋の動きを示す図。肩関節の動きに伴う下角の移動を矢印で視覚化し、モビリティ評価や触診に役立つ教材。」

初心者が意識すべきポイント

そして「初心者」が注意しておきたいポイントもあります。

〇施術前:下角を触れた時、肩が「どこまで上に上がるか」を確認できる。
〇施術後:同じ動きで、肩が「どのくらい変化できたか」を確認できる
〇行う際は一貫して同じ角(かど)に触れて比較する

これらの点に注意しましょう。

施術の効果を「見える化」する武器に

そして、初心者セラピストほど、
「感覚に頼りがち」
になりますが、
『骨の位置の変化を手で確認できる』
ようになると、お客様と一緒に「変化を実感」できるようになるので、私たち自身にもお客様自身にも信頼性のある施術となります。

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よくある「曖昧な理解」とは?セラピストがやりがちな3つの例

初心者セラピストにありがちな落とし穴のひとつに、「肩甲骨はよく扱っているつもり」ということがあります。
ですが、その「つもり」が、「施術効果の低下や再発を招いている」ことも少なくありません。
ここでは、セラピストがやりがちな「3つの曖昧な理解とその対策」について解説します。
自分の施術に思い当たる点がないか、チェックしながらみてくださいね。

肩甲骨を触っているつもりが僧帽筋しか触れていない

初心者セラピストがよく陥るのが、
「肩甲骨を触っているつもりが、実は筋肉(僧帽筋)だけを触っていた」
というパターンです。
●具体例
〇上角を確認しているつもりが、僧帽筋の膨らみだけを捉えている
〇肩甲骨の「骨を確認」をしないまま、施術を開始してしまう
●なぜ問題なの?
〇骨の位置を正しく捉えていないと、押したい筋肉の深さや方向性がズレてしまう
〇そのため圧のかけ方やストレッチの効果が半減
●対策
〇肩甲骨の縁(内側・上角)を必ず骨感で確認する
〇「僧帽筋の厚み」と「肩甲挙筋の厚み」は違う筋肉の硬さであることを理解する

肩甲骨の上角を触診する際に、僧帽筋に誤って触れてしまうミスと、正しく上角を触れている例を比較した図。初心者セラピストのための触診精度向上に役立つ視覚教材

肩甲挙筋の施術するラインを外している

「肩こりの原因=肩甲挙筋」と学んだものの、
施術すべき正確な部分を見逃しているケースも多くあります。
●よくある例
〇首の横(胸鎖乳突筋の後方)ばかりをアプローチしている
〇肩甲骨の内側だが、上角との繋がりを理解しないままになっている
●なぜ問題か?
〇肩甲挙筋は、上角から頚の骨に走行している筋肉
〇実際に痛みやこわばりが出ているのは、肩甲骨側(=上角)のことも多い
●対策
〇肩甲骨の上角を確認 ⇒ 首の骨にたどるように追っていく(斜め上に向かってたどる)

下角の動きが分からないと可動域も分からない

肩を挙げる、腕を上げるといった動作を見るときの注意点もあります。
それは、

『肩甲骨の下角の動きを見逃してしまう』
と可動域も分からない

ということです。
●初心者にある例
〇肩を挙げたとき、「腕だけの動き」しか見ていない
〇下角が外に開くタイミングで(上方回旋)下角を確認していない
●なぜ問題か?
〇肩を上に挙げる動きには「肩関節の一定の法則」がある。
〇肩甲骨の回旋(特に下角の動き)を見なければ、肩関節全体の評価は難しい
〇「肩関節の可動は正常」という判断は、「肩甲骨の可動制限が原因」という判断と一致しない
●対策
〇下角に触れたまま肩を挙上させて、動きを手で追う。
〇肩の運動として「どこで動きが止まるか」を観察する。

上角・下角を正しく理解し活用するための触診と評価のコツ

肩甲骨の施術精度を高めるには、「なんとなく触る」のでは成立しません。
肩の構造と動きに基づいた明確な触診スキルが必要です。
ここでは、「触診の前に意識すべきポイント」と、「肩甲骨の動きと連動させた評価」の方法について解説します。

触れる前に意識すべきランドマーク

初心者セラピストがまず行うべきは、「触る前の準備」です。
いきなり手を当てるのではなく、触診の基準点(ランドマーク)を明確に頭の中で描くことが、正確な触診につながります。
●意識すべき3つのランドマーク
1. 肩甲棘(けんこうきょく):肩甲骨の背面を横切る稜線。上部と下部の区切りになる。
2. 肩甲骨上角:第2肋骨付近に位置し、肩甲挙筋の付着部。
3. 肩甲骨下角:第7〜8肋骨レベルに位置し、大円筋が関与。
●なぜ重要か?
〇ランドマークを意識すると、筋肉の深さや繋がりを把握しやすい
〇解剖学的な構造を地図化して触ることで、曖昧な触診を防げる
●実践ポイント
〇施術前に、軽く指で肩甲棘から上角・下角までをなぞって確認
〇お客様の体格や筋肉でも対応できるように感覚を養う
肩甲骨の上角と下角を正確に触診するためのランドマークの位置と、触診の手順を示した図。初心者セラピスト向けの触診スキル習得に役立つ流れ図。

動きと連動させて見る方法(肩甲骨と下角の関係)

体は動かすものなので、「動かす動作」と「止まっている体」を見比べることができるのも必要です。
特に、下角の動きを見ることで、肩甲骨の上方回旋・下方回旋の状態や制限がわかります。
●具体的な評価方法
〇お客様に肩を挙上してもらい、下角の動きを触診
〇下角が外側かつ上方向にスムーズに回旋すれば、上方回旋は機能している
〇動きが途中で止まる・逆にズレる場合は、どこかの調子が悪い
●観察すべきポイント
〇左右差:どちらかの下角が動きにくいか
〇動き出しのタイミング:肩甲骨が早すぎる、遅すぎるなどの連動リズム
〇下角の引っかかり感・浮き具合:筋肉の滑らかさも指標にもなる
●なぜこの方法が有効か?
〇静止中ではわからない「制限や癖」が動作中で気づくことも多い
〇動作の問題が「肩や背中の痛みの根本原因」とつながることが多い

肩甲骨の「角」を押さえたセラピストが得る3つのメリット

セラピストとして「肩甲骨の上角・下角」を正確に理解しているかどうかで、
施術の質やお客様との関係性で大きく変わることもあります。
ここでは、肩甲骨の「角」を押さえているセラピストが現場で得られる、3つの実践的なメリットを紹介します。

施術の再現性と精度が高まる

肩甲骨の角を明確に触ることができると、施術の位置や圧の方向がブレにくくなります。
ですので、同じような症状のお客様にも、安定した結果を出しやすくなります。
●具体的な変化
〇施術するたびに「今日はうまくいった/いかなかった」と悩まなくなる
〇自分の中で筋肉を狙う精度の物差しができる
〇ベテランセラピストがやっている筋肉を線で捉える感覚が育つ
初心者は「自分の感覚」になりがちだからこそ、体の構造をしっかりと把握しておくのが大切です。

原因特定のスピードが上がる

上角・下角の位置と動きが分かっていると、どの筋肉が引っ張っているのか/どこに制限があるのかを早く見抜ける。
●たとえば
〇上角が内側に寄りすぎていれば⇒肩甲挙筋などの過緊張を疑う
〇下角が外に張り出していれば⇒大円筋などの短縮を考える
これは、解剖の知識だけでなく構造の現場的な読み取り力が身についた証です。
●メリット
〇評価が早くなり、施術にかける時間を有効活用できる
〇お客様から「ちゃんと見てくれている感」を得られる
〇自信を持って次のステップに進める

お客様の信頼が深まる

触った瞬間に「そこです!」と言われたり、「動きやすくなった!」と実感してもらえることが増えます。
それが増えれば、お客様からの信頼と満足度は一気に高まります。
●なぜ信頼につながるのか?
〇セラピストが迷いなく的確にアプローチしていると伝わる
〇細かな部位に対する知識がある=「プロっぽさ」を感じさせる
〇「ここまで見てくれるんだ」と、クライアントの安心感が増す

ワンポイント特にリピーター獲得につながるのはこの部分。
「痛みをとってくれる」以上に
「ちゃんと見てくれている」

と感じさせることが、信頼構築には重要です。
肩甲骨の上角・下角を正確に理解することで得られる3つの施術メリット(精度向上・原因特定・信頼構築)を図解したまとめ資料。セラピストの技術力向上に役立つ視覚教材。

まとめ|「角を押さえる」ことは、施術の精度を上げる第一歩

肩甲骨の「上角」と「下角」は、ただの骨の端っ子ではありません。
そこにどんな筋肉が付着し、どう動くのかを正しく把握しているかどうかが、
セラピストとしての「施術の精度」・「評価力」・「信頼性」に大きな差を生みます。

『大事な要点』
〇上角・下角の【正確な位置】を知ることの重要性
〇【関与する筋肉】と【可動評価の基準点】としての役割
〇よくある曖昧な理由の例とその落とし穴
〇触診と動きの評価の【具体的なコツ】
〇肩甲骨の「角」を押さえることで得られる【3つのメリット】

施術がうまくいかない…評価が自信持てない…という悩みは、
意外と「肩甲骨の角をあいまいに触っている」ことが原因かもしれません。

まずは一人ひとりのクライアントに対して、
「自分は上角・下角を明確に捉えているか?」
と毎回意識してみてください。

それが、確かな実力を積み上げる第一歩になりますよ。

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