こんにちは!セラピストのゆーパパです。
今回はアナトミートレイン等から考える「肩甲挙筋を緩める方法」を解説します。
セラピストとして働いていると一度は耳にする「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」。
そして緩めるのが難しいと言われますよね。
私も今でも苦戦しますよ。
でもアナトミートレインを中心に肩甲挙筋を考えると施術構成がしやすいですし、
との声も良く聞くようになります。
必要な部分だけ専門用語を使いますが、できるだけ「簡単に・簡潔に」書いていこうと思います。
ではいきましょう!
そもそも「肩甲挙筋」とは?
まず、肩甲挙筋の説明を簡単にしておきたいと思います。
肩甲挙筋とは肩甲骨に付いている筋肉です。
主に「肩をすくめる」時に使う筋肉ですね。
なので、肩甲挙筋はデスクワークなどで疲れやすい筋肉の一つです。
したがって「肩こりに関わる筋肉」と言われます。
ちなみに、このブログの別ページでも肩甲挙筋を詳しく解説していますので、そちらもどうぞ↓
【施術者へ】肩甲挙筋の解説!初心者でも分かるように解説:「稼ぐ施術」を身に付けよう!
「肩甲挙筋」をアナトミートレイン中心におさらい
肩甲挙筋が関わるアナトミートレインは「ディープバックアームライン」になります。
ディープバックアームラインの詳しい解説は割愛しますが、
「腕の後ろにあり、深部を通るアナトミートレイン」
となります。
アナトミートレインの解説についてはコチラを見てください↓

そして肩甲挙筋を緩める上で覚えておきたいのが「肩甲挙筋の動き」です。
とくに注目したいのが、肩甲骨を下向きに動かす動作。
これを専門的には「下方回旋(かほうかいせん)」といいます。
しかし専門用語を言ったものの、今の段階で「下方回旋」を覚える必要はないですよ。
また、肩甲挙筋は他のアナトミートレインと直接関わっていません。
しかし、関わっていないものの、注目したいアナトミートレインがあります。
それは「ラテラルライン」です。
この「ラテラルライン」はディープバックアームラインを含め「すべてのアームラインに」大きく関わります。
ちなみに「ラテラルライン」とは身体の横側のラインですね。
あとで「ラテラルラインが大きく関わる理由」を書いていきます。
「ラテラル・ライン」とは?アナトミートレインを解説!
「肩甲挙筋」の施術者目線
先ほどの上述した内容をここでもう一度まとめます。
・肩甲挙筋は肩甲骨を下向きに動かす時に使う。(これを下方回旋という)
・全てのアームラインに大きく関わるのが「ラテラルライン」である
ここでは、どうしてアームラインとラテラルラインが関わるのかを説明します。
「参考書の実際の文章」と「私のざっくりとした文章」を交えて書きますね。
“アームラインの筋筋膜のいくつかはLLがすべき仕事を行ってしまう。すなわち、頭を支えるバランスを取るようになる。この筋筋膜の一つは頸椎の横突起と肩甲骨の先端と接続する肩甲挙筋である。肩甲挙筋は板状筋と並行して走り、頸椎または頭の前方への牽引と拮抗するには、よい位置にある。問題は肩甲骨がしっかりとした支持基盤でないことである。多くの場合、結果として起始停止が逆転し、肩甲挙筋が「頸部前傾防止筋」として使用されることで肩甲骨は頸後部に向かって上方に牽引され始める。”
参考:アナトミートレイン-徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版136ページ
訳が分からないですよね。気づいています。笑
すごく、ざっくりと言いますと、
板状筋が疲れると肩甲挙筋がその負担を補います。
ということです。
肩甲挙筋は「アームライン」
という関係になります。
「肩甲挙筋」を実際に緩めてみよう
では実際にどのように緩めたらいいのでしょうか?
見ていきましょう。
肩甲骨の向きを確認
まずはここから始めましょう。
お客様の「肩甲骨の向き」を確認してみてください。
「肩甲骨が下向き」になっていると「肩甲挙筋」の硬さが出ている状態です。
もし「肩甲骨が上向き」になっていると「肩甲挙筋」ではないので、これからの方法でお客様からの「楽になった!」との声は聞けません。
肩甲骨の上角をアプローチ
次に「肩甲骨の上角(じょうかく)」をアプローチしましょう。
肩甲骨の上角とは肩甲骨の内側の先端部分です。
この上角部分が「肩甲挙筋が付着している部分」です。
ちなみに、
肩甲骨の上角のすぐ脇ににある「コリ」を押してくださいね。笑
間違えないとは思いますが、とりあえず注意書きとして書いておきます。
この上角の説明は別ページでも解説しているものがありますので、そちらも見てくださいね。
まずはこれらから覚えよう!8つのランドマーク(骨指標)!
肩甲骨の下角をアプローチ
次に肩甲骨の下角部分にアプローチしましょう。
これは肩甲骨の上角と同様に、肩甲骨の内側の一番下部分の箇所です。
この筋肉は肩甲挙筋ではありませんが、「肩甲挙筋と同じディープバックアームラインを通る筋肉」です。
したがってその筋肉のコリも一緒に出てきているので、そこも同時にアプローチする必要があります。
ですので、肩甲骨の内側を上から下までアプローチすると肩甲挙筋がほぐれる環境が整います。
上腕部分のアプローチ
そして上腕部分のアプローチもしましょう。
これは上腕部分の後面です。
これもディープバックアームラインが関わるためです。
もちろん、肩甲挙筋のアプローチのために関連部の範囲を広げれば筋肉は緩みます。
しかし、まだアプローチ方法に悩んでいる方は上腕部分だけでも十分です。
背骨部分のアプローチ
背骨付近もアプローチしましょう。
肩甲骨周りをアプローチしていくと、お客様の体の状態が初めの状態から変わります。
そして肩甲挙筋が辛い方でしたら、背骨付近の硬さが徐々に目立ってくるでしょう。
特に以下のような場所です。
これは肩甲挙筋ではなく、「板状筋」のコリです。
仕上げにこの板状筋へのアプローチをすることで、お客様の「スッキリ度」は大きく変わります。
最後に
いかがだったでしょうか?
あえて「どのような手技を使ったらいいのか」という話はしませんでした。
それはどの手技が一番いいというのは無いと言われているからです。
そして皆さんが勤めている会社・店舗でも手技の違いはありますからね。
しかし、体の構造を踏まえて施術をするとお客様の満足度は上がることは間違いありません。
ぜひやってみてくださいね。